ブライドルレザーとは、馬具用に作られた英国発祥の高級皮革です。
ブライドルとは『頭絡』という馬の頭につける馬具を意味しています。乗馬し人の全体重を支えたり、馬をコントロールするときに用いる馬具は非常に負荷のかかる道具の為、強い強度が求められます。
馬具の材料としての目的で作らてきた皮革ブライドルレザーは長年の歴史の中で職人の工夫と技術が蓄積された非常に頑丈な革で、今なおその製法が受け継がれている希少なレザーの1つです。
ブライドルレザーの特徴は革の頑丈さだけではなく、ブルームと呼ばれる白い粉のようなものが付着しているところです。初めて見られる方は驚かれるかもしれません。しかもブルームは触ると簡単に消えてしまいます。ブライドルレザーの商品を作る過程においても、この革の表情をのこしたまま製作するのには大変気を使います。
ブルームとはいったい何でしょうか?実はブルームの正体は蝋(ロウ)です。ブライドルレザーを製造する工程の中で、革の強度を高めるため何カ月も蝋や油脂成分を含んだ槽に付け込んで、革の繊維にじっくり染み込ませています。
この大変時間のかかる工程にて革の繊維を引き締め革の強度を圧倒的に高めているのです。そして、その染み込ませた蝋などの油脂成分が気温の変化などにより表面に染み出し固まってできた物がブルームの正体です。
ブライドルレザーのエイジング(経年変化)は使い込めば混むほど柔らかくなり、色が変化していきます。こちらは他の革と同様の変化です。しかしブライドルレザーの経年変化は中に染み込ませた油脂成分により非常に艶やかな深い光沢が出てきます。このエイジングがブライドルレザーの真骨頂と言えるかもしれません。
ブライドルレザーは冒頭で紹介したように、非常に頑丈な革ゆえに革が馴染むのにも時間がかかります。写真で掲載をさせて頂いている、当店のスマホケースでもご納品当初は背表紙が馴染まず開いてしまうほど戻りが強く、最初は扱いにくい感じがあります。もちろんどんどん馴染んでいきますがブライドルレザーの持つ頑丈さゆえカメラ回りの細い部分でもしっかりと形状が長年保たれます。非常に人気の高級皮革でオーダーメイドをしてみてはいかがでしょうか。
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